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10-13ハイネセン動乱 第2章 予兆(その4)
ラッツェル「閣下。かねてより進言いたしておりましたように、かような偶発事故は避けられません。」
レンネンカンプ「卿は何か勘違いしているようだな。
ヤンの奴がなにも考えていないわけなど無いであろう。
むしろ今回の件ではっきりしたではないか。」
ラ「無用なストレスをかけ、旧軍人や、政府、一般市民に圧力をかければ、偶発事故の起きる
可能性は増すばかり。その責任は、ストレスをかけられた方ではなく、かけた側にあると。
ヘル・ヤンや小官ごときは言うに及ばず、陛下であらせられても同様の結論に達するものと思います。」
レ「ウ~~~ム!
にしてもだぞ、我らは一個小隊を壊滅されたのだぞ。」
ラ「はい。閣下。そのことについても、今回ご一考願いたいと存じます。
たった一人の民間人の、それも丸腰の主婦に、1分あまりの間にです。
小官といたしましては、それを引き起こした責任も、我が方にあると思っております。」
レ「何だと!」
ラ「先ほどの話同様、監視される側のストレスの問題です。
監視するにしても、せめて第2ラインでの監視にさせてください。
もう小官は、あのような惨劇を見たくはございません。」
レ「貴官がそれほどまでに言うなら仕方があるまい。
認めよう。」
ラ「また、ヘル・ヤンが教えてくれたことによりますと、フラウ・キャゼルヌは最強の戦士。
フラウ・ヤンの直径の師であるとのことです。」
レ「卿は、またあのペテン師の言うことにひっかっかっているのでは?」
ラ「そのペテン師が、もし閣下がそのようなことをおっしゃったら、こう言ってみろといっておりました。」
レ「何だ?申してみよ。」
ラ「閣下も奥方をお持ちでいらっしゃれば、きっとご理解されるであろう、と。
小官は独身故、この言葉の意味は欲はわかりませぬ。」
レ「ウヌヌヌヌ。解った。ただいまより、妻帯者の監視は、第2ラインまで下げることとする。
ただし、単身者に関しては、一層警戒を引き締めよ!」
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