10-10ハイネセン動乱 第2章 予兆(その1)

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10-10ハイネセン動乱 第2章 予兆(その1)



フレデリカ「やはり、平和だってことはいいことですわねぇ。」

ヤン「あぁ。あの警備と称して、我が家の周りを取り囲んでいる連中さえ居なければね。
   まったく、これでは体のよい軟禁ではないか。」

フ「それでも、戦争よりはよほどましですわ。」

ヤ「あてにしていた年金も、半分に減らされてしまったし。」

フ「あら、我が家の家計でしたら今でも十分にやっていけますが?」

ヤ「あ~!考えていたら余計に腹が立ってきた。」

フ「あなたったら。落ち着いてください。」

ヤ「これというのも、あのレンネンの髭野郎がすべていけないんだ。
  こちらは善良な一市民に過ぎないというのに。」

フ「のんびりと大好きな歴史の本をお読みになるか、お昼寝でもなさっていてください。」

ヤ「待てよ!善良な一市民!こいつは使えるかもしれない。」

フ「あなたったら、もうおかしなことを考えるのは止めてください。」

ヤ「年金を返せと市民を煽って、デモと市民集会を起こさせる。
  当然、あの髭野郎のことだ、ハイネセン政府に治安維持能力なしとして、
  介入してくるだろうよ。
  そうなればもう火に油を注ぐようなもの。
  市民は暴徒化して・・・・・・・・」

フ「あなた!エドワーズ女史が亡くなられた、あのハイネセンスタジアムの件をお忘れですか?」

ヤ「憶えているさ。ただあのときジェシカは、結果の予測を誤っていた。
  今回はあらかじめ暴動を織り込んでおけば、犠牲は最小限で済む。」

フ「市民の犠牲を織り込むだなんて・・・・・・・・」

ヤ「私の年金という大儀の前には、多少の市民の犠牲など・・・・・・・・」

バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!

フ「あなた!あなた!・・・・・・・・正気を取り戻してください!」

ヤ「ハッ!私としたことが・・・・・・・・なんて愚劣なことを・・・・・・・・。
  済まない。そしてありがとう。フレデリカ。」

フ「よかった!正気に戻ってくださったのね!」

ヤ「あぁ。だけど、これというのも・・・・・・・・」

ボコ!ドガ!ビシ!バキ!ガコ~ン!ドンガラガッシャ~ン!



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