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10-66移動電話
マシュンゴ「閣下。」
シェーンコップ「ん?どうした?マシュンゴ。」
マ「不覚にもトマホークの柄を折られてしまいました。」
シェ「だったら、ナイフで戦えばよかろう?」
マ「はい。ですがそれよりももっと効率のよい方法が。」
シェ「なんだ?」
マ「移動電話機を何台かお貸し願えますでしょうか?」
シェ「なるほど。おまえさんだったら確かに効率よく戦えるな!
そこに、戦闘中の奴らが置いていったものがある。
好きなだけ持って行け!」
マ「ありがとうございます。閣下。」
野戦部隊であるローゼンリッターは、この移動電話を各自持ち歩いていた。
両手に、5台ずつの電話機をつかんだマシュンゴが、戦闘に復帰した。
電話機を振り回しながら、帝国兵へと突進していくマシュンゴ。
次々と、電話機によって殴り倒されていく帝国兵。
物陰から、ボゥガンでの狙撃を狙っていた帝国兵に、一台を投げつける。
その兵士は、もんどり打ってその場に倒れた。
マシュンゴが駆け抜けた後には、悶絶し、あるいは殴り殺された帝国兵の山が出来ていた。
この武勲から、帰還後マシュンゴは少尉へと昇進した。
またこの後にも、マシュンゴは装甲服を着用していない敵との戦闘では、トマホークよりも電話機を好んで使ったという。
説明しよう!
移動電話とは、携帯電話の祖先のようなものである。
銀英伝が執筆された時代には、携帯電話と言えばこの移動電話を指す。
しかし、携帯とはほど遠い形状をしていた。
A4とほぼ同じぐらいで、厚みは10cmをようやく切る箱に、受話器を取り付けただけの代物であった。
ショルダーバッグのような形状で、肩からぶら下げて持ち歩く。
その重量は1台、約6Kgに及ぶ。
値段も一台あたり、約30万円。
当然、普及などするべくも無かった。
今日的な携帯電話の出現には、後10年は待たねばならなかった。
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