10-33双璧相撃つ(その3)

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10-33双璧相撃つ(その3)


バイエルライン「閣下の奥方は、大変すてきな女性ですよね!」

ミッターマイヤー「ありがとう。
           ・・・・・・・・っておい!」

バ「イヤイヤ、そのように早とちりされては困ります。」

ミ「なんか、卿がオーベルシュタインかフェルナーに見えてきたぞ。」

バ「まぁ、本質的には変わらないことは認めましょう。
  でも、奥方を報償にするなどとは、あのオーベルシュタイン元帥でも考えますまい。
  むろん、小官ごときは言うには及びません。」

ミ「では、なぜエヴァが関わってくるのか?」

バ「フィギュアにございます、閣下。
  1/4サイズの奥方様のフィギュア。
  これは、コミケに出しても3分以内完売の、絶品となるでしょう。」

ミ「”コミケ”なるものを小官は知らぬが、それほどの人気商品になり得ると言うことか?」

バ「はい。間違いございません。
  今、投降すれば、もれなくエヴァ様の1/4サイズフィギュアをプレゼント中、とロイエンタール軍に流
  せば、艦艇数での算出は難しいものの、兵員巣では1/3を超える兵士が投降に応じるでしょう。」

ミ「よし。もうなりふり構っていられる状況ではない。
  オープン回線で、ロイエンタール軍全軍に呼びかけろ!

ミ軍「今、無抵抗で投降すれば、ミッターマイヤー元帥令夫人、エヴァンゼリ様の1/4フィギュアを、
   もれなくプレゼント中!」

ロ軍「[るんるん]ミッチャンみちみち、う○こた~れて~[るんるん]
    delete紙~~が無いから、手~~で拭いて~~[るんるん]
   [るんるん]もったいな~いか~ら、食~べちゃった[るんるん]

ここにいたって、両軍はまさに混戦状態へと陥った。

・・・・・・・・

ビューロー「我が方も、攻勢へと転じました。
       未だ、膠着状態が続く中、ミッターマイヤー元帥が秘密兵器を出し、
       攻勢に転じつつあります。

このとき、両軍ともすでに超光速通信までも用いて、戦っていたのだ。

ラインハルト「相変わらず、なにがなにやら解らぬが、とりあえずミッターマイヤー元帥が攻勢に転じた
        と言うことだな。」

ビュ「はい。陛下。」

ラ「どうも今回の戦は、戦況が解らぬ。
  この限られた情報から、誰か推論でもよいから状況が解らぬか?」

ミュラー「先程来、超光速通信にまで両軍の通信が入って参りました。
      両軍とも、無節操にオープン回線を使用しているようです。」

ラ「で、その通信の内容は?」

ミュ「この際、内容よりも、その真意にこそ意味があるものと思われます。」

ラ「ほぅ。ミュラー続けよ。」

ミュ「この件に関しましては、小官よりもビッテンフェルト提督からご説明いただいた方が、
   解りやすいかと・・・・・・・・」

ビ「なぜ、俺に振る。

  かつて回廊の戦いにおいて、小官が同じような失敗をしたことは、貴官方ご存じの通りでしょう。」

ラ「ファーレンハイトが戦死したあの一件か。
  あれは卿よりも余の方が責任が重い。
  遠慮無く先を続けよ。」

ビ「ハッ!あのとき小官は、敵方からの一通の電文によって、判断力を失い、
  結果として、艦隊の半数と、盟友であるファーレンハイト元帥を失っております。
  思うに、今回のロイエンタール・ミッターマイヤー両元帥におかれましても、互いが
  同じ戦術をとったために、睨み合う以外にないといった状況に陥っていると
  拝察いたします。」

ラ「それが、あの歌とフィギュアでもか?」

諸提督「はっ!」

索敵監視兵「トリスタン、被弾。」

ミ「誰だ、撃ったのは!」

索敵監視兵「当方にはあらず。
        敵方グリルパルツァー提督の、エイストラト思われます。」

ミ「「引き続き監視急げ。発泡した艦を至急特定せよ。」

索敵監視兵「エイストラに間違いございません。閣下。」

ミ「グリルパルツァめ。早まったことを。
  投降は呼びかけたものの、裏切りを許すとは、俺は一言も言っておらぬぞ。
  ましてや、皇帝陛下は、このような裏切り行為を決してお許しにはなりますまい。
  全艦、エイストラに向けて照準固定。
  いいか、決してほかの艦に当ててはならぬぞ。
  照準内にほかの艦が入る場合は、発泡を控えよ。
  全艦、主砲一連勢射。ファイエル。」

索敵監視兵「エイストラ撃沈。なお、トリスタンは惑星ハイネセンに向かって降下進路を取っています。」

ロ「ベルゲングリューン。
  状況はどうなっている。」

ベ「はっ。閣下。幸いにも機関部、制御部には影響はございません。
  ただし、艦橋は中破。閣下も早くお手当を!医療班、急げ!」

ロ「いや、応急処置で構わん。
  それよりも早く全艦に退艦命令を。
  また、全艦隊はミッターマイヤー元帥の指示の元、降伏するようにと。
  急げベルゲングリューン。」

ベ「閣下は?」

ロ「安心しろ。自決など私の趣味ではない。
  それよりも、艦長とベルゲングリューンにはもう少しつきあってもらうぞ。
  ハイネセンにまだ忘れ物が一つある、
  それを片付けねば。
  その後両名は、地上部隊とともにミッターマイヤーに降伏せよ。
  解ったな。
  これが最後の命令だ。決して背くことの無いよう、念を押しておくぞ。」

・・・・・・・・

そしてロイエンタールは、最後の仕事、トリューニヒトの殺害を行い、帝国の禍根を取り除いた。
いまわの際の一言、「遅いじゃないか、ミッターマイヤー。疾風ウォルフの名が泣くぞ。」
と言う一言は、実際耳にした人間は一人もいなかった、

・・・・・・・・

「双璧の戦い」、あるいは「ロイエンタールの乱」と後に呼ばれたこの戦いは、その名前に反して、戦況のあまりの情けなさと、あまりにもあっけない幕切れのために、ローエングラム朝の黒歴史の第一ページ目を飾ることとなった。


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