10-06 ハイネセン動乱 第1章 ヤン家の食卓(その3)

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10-06 ハイネセン動乱 第1章 ヤン家の食卓(その3)


オルタンス「ねぇ、フレデリカさん?」

フレデリカ「何でしょうか?キャゼルヌ夫人。」

オ「オルタンスと呼んでくださいな。代わりに私もフレデリカと呼ばせてもらうわ!」

フ「はい。っで、何でしょうかオルタンス?」

オ「あなたたち、ここのところ毎晩なんですって?」

フ「なにがです?」

オ「なにがって、あれですよ。挟む物。」

フ「えぇ。あの人が毎日挟む物でも構わないって言ってくれたので。
  でも、バランスとか考えたら、それではいけないと思って、
  それで、今日こうしてパーティという名目で、オルタンスにお料理を教わろうと・・・・・・・・」

オ「そっちの挟む物じゃなくて・・・・・・・・」

フ「(赤面)」

オ「ちょっとこちらへいらっしゃいな。
  ユリアン!悪いんだけどお鍋の火加減を見ておいてくださる?
  お皿の方は娘たちに任せて。
  大丈夫よね?シャルロット。」

シャルロット「は~い!おかぁさん。」

オ「さぁ、フレデリカ、付いてらして。
  フレデリカ?ここに座ってちょっと待ってくださらない。」

(ガサゴソ)

フ「何かお探しものですか?」

オ「えぇ。あなたに秘訣を見せてあげようと思ってね。
  (ガサゴソ)
  あったわ。」

エナメルのスーツ・マスク・鞭・ろうそく・先の尖ったハイヒール etc. etc.

フ「何ですの?それは?」

オ「さっきあなたは、挟む物ばかりではバランスが悪い、とおっしゃいましたよね?」

フ「ハァ!?」

オ「あちらに関しても同じことなのよ。」

フ「ハァ?」

オ「あなたたち、いつもどうやっていらっしゃるの?
  あっ、いいのよ。説明してくださらなくても。見当は付きますから。
  あなたの中で、思い出してくだされば。」

フ「(赤面)」

オ「どう?おわかりになって?」

フ「はい。何となくですけど。」

オ「そう。じゃぁなんとなくで結構ですから。おっしゃってみて。」

フ「私に比べて、あの人の方が遙かに体力を使っている。とか・・・・・・・・」

オ「そう!そういうことなのよ。それが毎日だったら?」

フ「相当きついでしょうね。それでいつもあんなに疲れた顔を・・・・・・・・
  で、これは?」

オ「挟む物以外のものよ。
  あなたの分として、同じものを用意したわ。
  使い方は、参考書として、小説を2冊入れておくわ。
  読んでお勉強なさいな。」

フ「・・・・・・・・ところでオルタンス。
  挟む物の頻度は、どのくらいまでだったら・・・・・・・・」

オ「そうねぇ。ヤン閣下はうちの宿六より1年後輩のはずですから・・・・・・・・
  まぁ、週に2~3回。多くてあと一回。
  ただしその時には、お土産を上手に使って。
  体力の消耗を上手に分散させること。」

フ「2~3回ですか・・・・・・・・[もうやだ~(悲しい顔)]

オ「我が家はそれマイナス1よ。
  私たちは年が近かったからよかったですけど、確かあなたは閣下とは8つ違いよね?
  ご自分でお選びになったのですから。
  それこそ、なんておっしゃったっけ。黒人系の准尉さん。」

フ「マシュンゴ准尉ですか?」

オ「そうそう。あの准尉さんがいつもおっしゃるでしょう?」

オ・フ「人は運命には逆らえませんから!フフフ・ホホホ」

オ「でも確かに、あなたはまだお若いから・・・・・・・・
  そんなときには、これをお使いなさい。」

フ「電動マッサージ器?」

オ「そう。通称電マ。
  使い方は、人それぞれだと思うから、ご自分にあった使い方をお探しなさい。」

ムライ「両夫人がお戻りのようだ。」

パトリチェフ「キャゼルヌ夫人から、作戦成功のサインが!」

フィッシャー提督「これで我が艦隊も救われましたな。」

ワハハハハハ

ヤン「おいみんな、なにを言っているんだい?
   その、艦隊が救われたとか・・・・・・・・」

シェ「まあ、帰ってから奥方にじっくりと聞いてみるのですな。
   挟む物の一件も、これでめでたく解決したというわけですよ。」

アッテンボロー「では、我が艦隊の未来に。」

一同「カンパ~イ!」

ヤ「カンパ~イ?」

(帰り道)

ヤ「どうだった?フレデリカ。」

フ「オルタンスに色々教わって、すごく勉強になりましたわ!
お料理に関しては、まずおいしいものを色々と食べてみるのが上達への早道なんですって。」

ユ「それ、何となく解りますよ!」

フ「でね、我が家のお食事の面倒を、しばらくオルタンスが見てくださるっておっしゃてくださったから、
  甘えさせていただくことにしましたわ。
  よろしいですわよねぇ、あなた?」

ヤ「それは願ってもないことだ。」

フ「私に時間があるときには、オルタンスに直接教わりに行きますわ。」

ヤ「さらに願ってもないことだ。なぁ。ユリアン?」

ユ「それはもう!」

ヤ「ところで、また随分と土産を貰ったものだね?
  料理の本か何かかね?」

フ「もう一つの方も、相談に乗ってくださって・・・・・・・・」

ヤ「そうか。キャゼルヌめ。図ったな。
 それで艦隊が救われたなどと・・・・・・・
 って、待てよ。するとあそこにいた全員が知っていたと言うことか?
 参ったなぁ。」

フ「あらやだ。そういうことですわね。(赤面)」

ユ「途中からお話が全く見えなくなってしまったのですが?」

ヤ「いいかい。ユリアン。
  物事には知るべき時に知るのが、もっとも効果的だ、
 と言うことがある。
 言ってみれば、今日がフレデリカにとってその時のうちの一つの時だったと言うことだ。」

ユ「ハァ!?」

キャ「今日はご苦労だった。
これであの夫婦も、艦隊も救われたというものだ。
   ところでどうだった?彼女は?」

オ「フレデリカは、明敏な方よ。理解してくれたわ!」

キャ「で、例のものは?」

オ「ちゃんとお土産に持たせました。」

キャ「あんなものを補給物資に紛れ込ますのに、苦労したからなぁ!
   うまく使いこなしてもらわんとな。」

オ「ねぇ?ア・ナ・タ[ぴかぴか(新しい)][揺れるハート][ハートたち(複数ハート)]

キャ「[がく~(落胆した顔)]ちょっ・ちょっと待て。待ってくれ。
   今週のノルマはもう夕べで達成したはずだぞ!」

オ「だって~!フレデリカとあんな話をしたものですから・・・・・・・・
  それに、今回の作戦の立役者は?
  ・・・・・・・・ねぇ、それでも何のご褒美もなしですの?」

キャ「わかった。わかった。降参だ!無条件降伏する!」

オ「・・・・・・・・で、今夜はソフト?それともハード?
  挟む物だけでも許してア・ゲ・ル!」



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