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10-01 ミュラー提督筆おろし大作戦(その1)
ビッテンフェルト「諸提督方。この後は女王様のところへ行って、日頃の憂さをはらさんか!」
ミッターマイヤー「俺にはエヴァがいるから遠慮しておこう。」
アイゼナッハ「(パチン)」
ビ「それはどっちの意味だ?
ほかの諸提督は?」
ロ「俺は、玄人は好みじゃないのだが、特に断る理由もないしな。」
ミュラー「女王様って?我が帝国の王・皇帝陛下は男性であらせられるし?
よもや、皇太后殿下の・・・・・・・・」
ビ「バカか?卿は?
女王様とは、店の従業員だ。
何でもありのよい店がある、とそういうことだ。」
ミュ「まさか・・・・・・・・そういうことか?」
ビ「そう。そのまさかだ。
持ち合わせが足りないようだったら、卿の分ぐらい奢ってやってもいいぞ。」
ミュ「いや・・・・・・・・その・・・・・・・・」
ビ「・・・・・・・・卿こそまさか?」
ミュ「恥ずかしながら、そのまさかだ。」
諸提督「おぉ!」
以来、ミュラー提督は、『潔癖のミュラー』と呼ばれるようになった。
ビ「ミュラー。今日こそ逃しはせんぞ。
もちろん、俺の誘いだから奢ってやる。」
ミ「がんばれよ。ミュラー。」
ワーレン「あまりあっけなく撃チンされるなよ!」
ア「(ニヤリ!パチン、パチン、パチン)」
ルッツ「おぉ!3連打とは!
アイゼナッハも気合いを入れてエールを送っているぞ。」
ビ「ではいよいよ出陣と参るか。」
・・・・・・・・
(廊下にて)
オーベルシュタイン「両提督、おそろいで・・・・・・・・
あぁ、いよいよかミュラー提督。がんばってこられよ!」
ミュ「あの、オーベルシュタインにまで・・・・・・・・」
ミ「しかしいきなりあの店というのは・・・・・・・・」
ケスラー「うむ。そうだな。」
ロイエンタール「俺もそう思わなくもないが・・・・・・・・」
メックリンガー「初めてだからこそ、刺激が強い方がよい、と言う考え方もあるのではないか?」
オ「付き添いが、あのイノシシ武者なら、らしくてよいのではないか。
筆おろしは、我々軍人にとっては験担ぎのようなもの。
童貞が一軍の将など。」
ミ「相変わらず、ストレートな物言いだな。参謀長閣下は。
それにしても、卿が験を担ぐなど思っても見なかったな。」
オ「私は一般論を述べたまでだ。
結果が出次第お教えいただけるかな?ミッターマイヤー元帥。」
ミ「あぁ。もちろん公平を期す。」
オ「では、諸提督方。また後ほど。」
シュタインメッツ「ビッテンフェルトから連絡が入ったぞ!」
ミ「よし、出してくれ。
やけに早かったが、どうしたのだ?」
ビ「店の前までは連れてきたのだが。
『皇帝陛下ですらまだであろうに、小官ごときが』などとほざきおって。
俺としても、陛下の御名を出されては・・・・・・・・」
ミ「とりあえず結果は了解した。」
ビ「まぁ、折角来たから、俺は帰りが遅くなるぞ。
払うものは、きちんと払うから、勝者は安心されよ。」
ミ「ロイエンタールの一人勝ちか。」
ロ「すまぬな。諸提督方。」
ミ「それにしても、裏目の一点買いなど・・・・・・・・
卿の露悪趣味もたまには役立つことがあるのだな。
あの、オーベルシュタインですら、本命買いだったというのに!」
ロ「あの、オーベルシュタインですら・・・・・・・・か。
卿のその言葉、褒め言葉として受け取っておこう!」
ミ「それにしてもミュラー提督も往生際が悪いなぁ。」
ロ「まったくだ。まぁ、俺は勝たせてもらったから、もうどうでもいいがな。」
ミ「卿は勝ち逃げするつもりか?」
ロ「何とでも。」
ビ「先日のような手を使われたら、両元帥でしたらどうされますかな?」
ミ「やはり、卿と同じ判断をせざるをえんだろうな。」
ロ「俺もだ。」
ビ「では、この際奴の退路を断ってやるのが、最善の策ではないか?」
ミ「どうやってだ?」
ビ「単純なこと。陛下に真実を確かめれば・・・・・・・・」
ロ「つまりは、陛下にまだ童貞であらせられるか問えと卿は言うのか。」
ビ「ご明察。ここは、階級も一番上だし、陛下のご信任も厚い両提督に、お願いしたい。」
ミ「なんてことだ。何で俺たちがこんな・・・・・・・・」
ロ「仕方あるまい。一般将兵の士気を高めるは、諸提督の役目。
諸提督の士気を高めるのが俺たちの役目。
それとも何か?卿にはこれ以外の策はあるのか?」
ミ「いや、ない。」
ロ「だったら、あのオーベルシュタインに知恵を借りるか?」
ミ「そんなことなど・・・・・・・・」
ロ「だったら仕方なかろう。」
ミ「・・・・・・・・」
コンコン
ミ「陛下。お忙しいところを失礼いたします。」
ラインハルト「構わぬ。入れ。」
ロ「陛下にお伺いしたい議がございまして。お時間を少しいただけますでしょうか?」
ラ「ちょうど休憩しようとしていたところだ。
少しであれば構わぬぞ。
フロイライン。済まぬが茶でも淹れてくれないか。」
ミ「そのようなお手間をおかけするほどのことにはございません。」
ラ「そうか。ではフロイライン、余の分だけお願いする。」
ヒルダ「はい。陛下。」
ラ「(ン?)質問の内容は一つであろうな?」
ロ・ミ「ハッ!」
ラ「だったらよい。遠慮無く何なりと尋ねるがよい。」
ミ「それでは率直におたずね申し上げます。
陛下はまだ童貞であらせられますか?」
ラ「??????
済まぬ、ミッターマイヤー。質問の意味がわからないのだが。」
ミ「いえ、もう結構にございます。
そのお言葉だけで小官らは十分に納得いたしました故。
ご休憩中、お邪魔いたしまして、大変に失礼をいたしました。」
ラ「??????
なんだかよくわからないが、卿らが納得した、というのであればあえて詮索しまい。
用はそれだけか?」
ロ・ミ「ハッ!」
ラ「ならば下がれ。」
ロ・ミ「ハッ!」
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